(2019年12月の記事です)
中学生になってから「国語が苦手です!」ってなると…
これはもう、かなり大変です。
一筋縄ではいきません。
生徒自身は何から手を付けていいのかわからない。
「国語を伸ばすには時間がかかる」という一般論は知っていても、全体像が見えないので…
どれくらい勉強しなければいけないか、さっぱり見当がつきません。
文法も読解も何となく雰囲気で答えを選んで、高校入試まで国語の苦手は解決しないままという事態に陥ります。
中学生になってから慌てないためにも、是非小学生のうちから「国語力」の向上を心掛けていただきたいのです。
そこで「国語力」とは何か?について考えると、語彙力・文法力・読解力の3つが柱になると思います。
まず語彙力。
公立高校の入試では漢字の書き取りは小学校範囲の1006字の中から出題されます。
ですからとにかく小学校の漢字を完璧にすること。
国語が苦手…という生徒を見ていると、やはり漢字の知識が曖昧です。
音読み・訓読み・書き順・部首・熟語。
どれも何となく覚えているため、試験の時に思い出せない。
国語の勉強を何から始めたらよいかわからないという場合は、何はともあれまず漢字です。
三字熟語、四字熟語、ことわざ、慣用句…
これらは漢字が完璧になってからでいいと思います。
次に文法力。
中学生が一番苦手としているのが文法でしょう。
品詞・用言・活用・敬語…と難しい話に入る前に、小学生の時に習った「文のきまり」を思い出してください。
日本語の文は…
・何がどうする
・何がどんなだ
・何が何だ
の3つの型が基本です。
読んでいる文がどの型なのか、意識して読むことが文法理解の第一歩です。
そしてその中で主語・述語を見つけること。
主語の省略や倒置など一部の例外はありますが、主語・述語の対応関係を掴むことで文の骨格が見えてきます。
そこまで出来たら次は修飾・被修飾の関係を読み取ること。
詳しく説明していることばは何か、また説明されていることばは何か。
そうやって主語・述語、修飾語・被修飾語を意識しながら読んでいくと、意味のまとまりを考えて、文節に区切って読むことができるようになります。
ここまででもかなりの時間がかかるはずなのですが、中学1年生の授業ではこの辺りをサラッと飛ばして、いきなり「文節相互の関係」に入ってしまうので、わからない生徒続出!となるわけです。
是非小学生の「文のきまり」に戻ってみてください。
最後に読解力。
なんですが…語彙力と文法力があれば、読解で苦戦することはあまりないと思われます。
漢字と文法がほぼ完璧で読解だけが苦手なんです…という生徒には今まで会ったことがありません。
読解を苦にしない生徒というのは総じて読書好きな生徒が多いんですが、
それまでの読書の経験から、語彙力・文法力が自然と身に付いているようです。
幼少期から習慣として読書を続けてきた生徒と、あまり読書をしてこなかった、音読の宿題も適当にこなしていた、という生徒では中学入学の時点で圧倒的な差が付いてしまっています。
小学生のうちから出来ることは毎日ほんの少しの読書。
1日10分の積み重ねが後に強力な武器となるのです。