(2020年5月の記事です)
緊急事態宣言は解除になりましたが…
恐れていたことが現実になりました。
定期試験、中止です!
例年6月上旬から中旬にかけて実施されていた第1回 定期試験が、今年は休校期間の影響で中止になってしまったのです。
なぜ中止になることを恐れていたのか?
それは定期試験がなくなることで…
やる気ゼロの生徒が増えるからです!
学校から配布された仮の日程表には定期試験の替わりに複数回の「単元テストを実施します!」とあります。
私は日程をずらしてでも、定期試験を実施してほしかった…
定期試験 実施の目的
千葉市の中学校は前期・後期の2期制なので、定期試験は年間4回あるんですが…
その目的は「ある時点での生徒の能力を測るため」です。
「ある時点での」というところがポイントで、試験のときだけ結果を出せばいいわけです。
普段あんまり勉強してなかったとしても、試験の直前だけ頑張って、一夜漬けでも点を取ればOK。
試験が終わったら、きれいサッパリ忘れちゃっても何もお咎めはありません。
勉強嫌いの生徒にとっては、実に負担の少ないシステム。
年に4回だけ、ちょっと頑張ればいいわけですから。
これが定期試験じゃなくて「単元テスト」になったら…
単元テスト導入の成功例
もうイヤな予感しかしませんよ…
私の不安を増幅させているのが、最近話題になったあの中学校。
定期試験を廃止して単元テストを導入したことで、飛躍的に学習効果が上がった!と豪語しちゃってる…
はい皆さんご存知の、千代田区立麹町中学校です。
2014年に赴任した工藤校長の改革が大成功!
ほとんどの生徒が自主的に学習に取り組むようになったんだそうです。
そりゃね麹町ですからね…
ちなみ東京23区の平均年収…
1位が港区で、2位が千代田区。
元々、教育にガッツリお金をかけることができる、裕福な家庭のご子息が多いんです…麹町中は。
ほとんどの親が社会的に勝ち組で、そりゃぁお子さまたちも優秀でしょう。
そんな超激レアな中学校の取り組みが成功しました!って言われましても…
千葉じゃ絶対、同じようにはいきません。
単元テスト導入の弊害
千葉だと、どうなっちゃうか?
単元テスト? うぜぇ~!
そんなたくさん、テスト受けてらんないよね!
となって勉強を放り出す生徒が続出するでしょう。
今までは年4回だけ。
部活が活動停止になる、ほんの数日だけ勉強していた生徒にとって、毎週のように単元テストがある生活はまさに地獄。
いいよ別に… ノーベンで。
と、やる気ゼロの生徒が増えます!
そもそも、単元テストの趣旨は…
- 学力の定着を図る
- 継続的な学習習慣
- 未達成なら再テスト受験可
など、すべてやる気のある生徒向けの発想です。
世の中そんなに勉強好きな生徒ばっかりじゃないですよ…
週イチのペースでテストがくり返されるって、とんでもない管理社会じゃないですか!
勉強嫌いな生徒にとっては、逃げ道を塞がれるような鬼システムです。
千葉に限らず地方都市では…単元テスト導入で学習効果が上がるとは思えません。
まとめ
定期試験がなくなったとして…
単元テストに合わせてしっかり勉強できるのは、学年の上位1~2割の生徒でしょう。
上位層はシステムが変わっても、柔軟に対応するはずです。
一方で自分の成績を真剣に考えていない生徒は、どんどんやらなくなる。
確実に「学力の二極化」が起きます。
定期試験の中止は今回だけにして、9月からは通常に戻ることを切に願います。