「割合」をどう教えるか?
その答えは学校や塾ではなく、ご家庭にあります。
「えっ?家庭?」
「家で教えるの?」と困惑されるお母さまも多いかもしれません。
でも実際、塾で教えていると…
ほぼ基本がわかっている子と、全く理解できていない子の2通りに分かれます。
違いは何か?
それはご家庭での幼少期からの「生活体験」です。
例えば「りんご」
半分に切れば2分の1の大きさは目で見てわかります
1つのりんごを2つに分ける
1÷2
だから2分の1
2分の1に切ったりんごをさらに半分に切れば
1/2÷2=1/4
ひと切れは、4つに分けたうちの1つ
だから4分の1
同じようにして、少し大きめのりんごであれば8分の1まで切れます。
でもそれって、分数の話でしょ?と指摘されそうですが…
「割合」を考える上で重要なのは、ひとつのりんご、すなわち「1」を小さく分けていくこと。
「1より小さい形」をイメージすること、「1より小さい数」があることに気付くことです。
正確には「0より大きく1より小さい数」の存在を理解すること、これがスタートです。
例えがりんごなので8等分で話を進めましたが、教科書的にはリボンや紐など長さのある物で10等分を考えてみます。
1本の紐を10等分するので
1÷10=1/10
10コに分けたうちの1つ分、
だから10分の1となるのですが、ここで小数の概念を取り入れると、より理解が進みます。
「1」を10コに分けた1つ分が「0.1」
そうなると2分の1が0.5で、4分の1が0.25になることもわかってきます。
(0.5÷2 の小数のわり算ができることが前提ですが…)
中学受験を目指す子にとっては
1/8=0.125
3/8=0.375
5/8=0.625
7/8=0.875
まで全部覚えていることは常識です。
でもこれ、中学生や高校生で数学が苦手な生徒はほぼ答えられません。
分数と小数のつながりを教わっていないためです。
(算数の理解力についてはコチラ)
割合の基本がしっかり理解できていれば、百分率と歩合の問題もすぐに解けると思います。
1/10=0.1=10%=1割
この関係を覚えるだけです。
例えをもうひとつ
子供の頃、ストーブに灯油を入れるのが私の担当だったんですが、祖父母に言われていたのは「8分目で止めなさい。」
「8分目…?」
満タンを10として、だいたい8あたりでいったん止めろと。
ここではもとにする数は1ではなく10ですが、考え方は同じです。
8割、80%がどれ位か、灯油が溢れる前に確認するのです。
割合は家の中だけでなく、買い物をする時も。
スーパーのお惣菜売り場でタイムセール!
300円の2割引と400円の4割引、どっちが安い?
のように、おかずを考えながら小数のかけ算をしてみたり。
教科書や授業で学ぶのではなく、身の回りにある物、日々の生活を通じて割合の感覚を身に付けられるといいと思います。
「くらべる量」と「もとにする量」
どっちがどっちかわからない!となったら、一度冷静になって机から離れてみましょう。