(2019年12月の記事です)
「間に合いません!」
「えっ…何が?」
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「公民」です!
中3生は、もうとっくに気付いてると思いますが…
学校の授業に合わせて公民を勉強していくと、最後まで終わりません。
と言うか、最後の方はプリントを配って「はいコレ…みんな覚えといて!」のような、とても雑な感じになります。
「とりあえず終わらせたことにしちゃおう!」というのが学校の先生の本音かもしれません。
こんな状況が毎年、どこの中学校でも繰り広げられています。
授業計画…もう少し何とかならないでしょうか?
だいたい教科書の厚さは地理・歴史と同じくらいあるのに、授業で教える期間が短すぎでしょう。
ほとんどの中学校では地理・歴史を3年生の夏頃までやってます。
不思議に思うのは、中学校の先生方…なぜか近現代史はじっくり時間をかけてやりたいようで。
第一次世界大戦あたりから急激にペースが落ちるんです。
そして戦後の現代史もきっちりやろうとする。
「まだ歴史やってんの?」
というのが夏前の決まり文句になってます。
ですから、公民のスタートは早い学校でも3年生の7月。
遅い学校だと10月からだったり…。
2月・3月はほとんど授業がないので、実質4~5ヶ月で公民の教科書を終わらせよう!ってことです。
どう考えても、無理ありすぎですね。
公立高校の入試では地理・歴史・公民、各分野からほぼ均等に出題されます。
年度によって多少の増減はありますが、公民だけでも25点~30点の配点。
全体の1/4ほども配点があるのに、勉強する期間が4~5ヶ月って…
授業時間数と入試での配点・重要性が釣り合ってません。
ちなみに東京書籍の教科書では…
第1章 現代社会と私たちの生活
第2章 個人の尊重と日本国憲法
第3章 現代の民主政治と社会
第4章 私たちの暮らしと経済
第5章 地球社会と私たち
となってます。
ある中学校では後期中間の試験範囲が、なんと第2章の終わりまで。
ちょっとハイペースな学校でも、第3章の途中あたりです。
1月までに残り全部を進めればいいや!ってことなんでしょうか。
はっきり言います!
急ぎすぎです!
納得がいかないのは、何も授業の時間数だけじゃありません。
内容もです。
教科書の第3章以降は政治・経済・国際。
どれも「大人になってから必要な知識」ばかりです。
主だったところだけでも…
・ 選挙 / 政党政治
・ 国政の仕組み
・ 地方自治 / 地方財政
・ 消費生活
・ 市場経済
・ 社会保障 / 福祉
・ 地球環境 / 国際問題
ひとつひとつを丁寧に解説していたら、とても4~5ヶ月で終わる分量じゃありません。
しかも社会が好きとか嫌いとか関係なく「関心ないんで…」とは言ってられない内容です。
「どうせ、高校1年の現代社会でも同じようなことやるじゃん!」と言う人もいるかもしれません。
でもこれは入試に出題されるor出題されないに関係なく、人として真剣に考えるべき内容ばかりです。
何も地理・歴史を削ってほしい!と言ってるわけではありません。
できれば2年生までに地理・歴史を終えて、3年生は公民だけにするとか…
もう少しバランスの取れたカリキュラムが望ましい…と思うのです。
中学1年生・2年生は、こうした現実を知らない人がほとんどでしょう。
何も知らずに3年生になってしまうと、後半かなり焦ります。
独学はなかなか気合いが必要ですが、地理・歴史は自分のペースで先に進めるべきです。
そして3年生の冬休み頃には、公民も含めて全ての範囲が終わっている。
これが理想ですね。