文部科学省が、意味不明なことを言い出しましたよ!
高校普通科を
- 普通科
- 学際融合学科
- 地域探究学科
の3つに、2022年春から再編すると。
なんで?
結論から、先に言っちゃいます。
高校の教科書が
難しいからです!
高校普通科の現状
国公立大学を目指す生徒にとっては、教科書は基本中の基本。
受験へ向けたスタートでもあるわけですが…
片や教科書の内容が理解できない。
復習するだけ精一杯、という生徒もたくさんいるんです。
目安としては「偏差値60未満の高校」
偏差値60で線引きしてしまうのは、ちょっと乱暴かもしれません。
もちろん50台後半の高校からも、大学に進学する生徒はいます。
でも実際のところ、高校の教科書を概ね習得できているのは、偏差値60以上と言っていいでしょう。
偏差値50台の高校だと、教科書の内容を一部抜粋して、先生がプリントを配って、そのプリントそっくりの問題が定期試験に出ちゃう。
つまり、教科書の内容をあまり理解していない生徒でも、プリントさえ頑張れば、なんとなく点数を取って卒業できてしまうのです。
偏差値50未満の高校になると、状況はさらに激変します。
そもそも、教科書を使ってません。
高校1年で入学すると、英語と数学は中学1年の内容から復習します。
教材の1ページ目が「I am~ You are~」・「正負の数」
夏休みまでは、ほとんど中学校の復習です。
そして、超基本的な授業内容がずぅ~っと続き…
例を挙げると、数Ⅰの二次関数は、中3の二次関数と全く同じ。
放物線が、いつまで経っても原点から離れません。
高校の内容も、一応やるにはやりますが、本当にちょっとだけ。
これが現実です。
高校普通科 再編の目的
偏差値40未満の高校から70以上の高校まで、名前はみんな同じ「普通科」。
でも「教科書の内容を習得できない高校」と「本気で大学進学を目指す高校」とでは、教育内容がまるで違います。
それを「普通科」として一括りにしていいの?
本来、大学を目指すレベルにない生徒が、目的もなく大学に進学する雰囲気。
とりあえず、行けそうだから大学に行っておこう!
そんな感じで、勉強する意欲がない生徒まで大学に進学するのは、決して良いことではありません。
全員が大学を目指す必要はないわけですし…
大学を目指さない生徒には、もっと多様な選択肢を与えるべきでは?
というのが、再編の趣旨です。
そもそもの始まりは、令和元年5月。
教育再生実行会議が、「技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校の改革について」の中で、高校普通科の画一的教育の改革を提言しています。
ちょっと何言ってるか、
わかりません。
「教育再生実行会議」…21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移し、教育改革を推進するための会議。
ギリギリ読み取れるのは「画一的教育は改革すべき」という点。
高校教育が地域の幅広いニーズに合っていない。
これが文部科学省の主張です。
学際融合? 地域探究?
では、新しくできる学科って?
【学際融合学科】
- 持続可能な開発目標など、教科の枠組みを超えた学びに取り組む。
- 大学や国際機関との連携体制
【地域探究学科】
- 地域社会の課題に取り組む
- 自治体や地元企業との協力体制
- 高校と地域をつなぐコーディネーターを配置
やっぱり何言ってるか、
よくわかりません。
具体的なアイデア・カリキュラムを出してもらわないと、イメージが湧かないんですよね。
でも「大学進学が最優先じゃない」というのは伝わります。
大学受験に直結するガチガチの勉強を、みんな一緒にやらなくてもいいんじゃない!
国・数・英・理・社、他にも楽しい学びはあるよね!
そんなイメージでしょうか…
文部科学省の迷走
様々な学力層の生徒に、多様な選択肢を提示する。
文部科学省の言い分も、わからなくはないんですが…
このところの動きを見ると、
- センター試験から共通テストへの移行
- 記述式を入れるとか入れないとか
- 小学校の英語教科化
- オンライン授業やるの?
- 高校の普通科再編
もう言ってることがメチャクチャですよね。
誰も「児童・生徒の目線」で考えてません。
学びの主役は子どもたちであるはずなのに…
国の施策に流されることなく、子どもたちが「明るい未来を思い描けるような教育」を作るのが、我々の務めですね。