(2020年11月の記事です)
入試まで、あと3ヶ月となりました。
ここからは、自分の適性に合った戦略を立てることが、とても重要になります。
「適性」と言われても、いまいちピンと来ない方へ。
我々講師は、生徒の「国語」の実力に注目して、カリキュラムを編成しています。
国語の実力
5教科の中で、最も成績を上げることが難しいと言われているのが「国語」。
なぜ、国語の成績は簡単に上がらないのか?
それは、幼少期からの経験が深く関わっているためです。
幼稚園に入る前から、頻繁に図書館や児童館に通って読書経験が豊富な生徒と…
夏休みの読書感想文ぐらいしかやってこなかった生徒とでは、中学校入学の時点で、とても大きな差がついています。
国語の実力を決定づける最大の要因は「語彙力」。
たくさん本を読んでいる生徒ほど、より多くの語彙力を身に付けています。
語彙力が多ければ多いほど、考えるツールを豊富に持っていることになるので、思考力という点では圧倒的に有利。
逆に読書経験が少なく、語彙力に乏しい生徒は、自分が抱える問題点を言語化することもままならず。
定期試験の長文問題でも、そもそも文章を読むことに慣れていないので、ワークの丸暗記ぐらいしか対策を立てることができません。
試験の度に、毎回苦戦することになります。
すべての学習の土台は「国語」。
そして、どれだけたくさんの「ことば」を知っているかで、脳内の処理能力が決まってしまうのです。
適性に合った戦略
ここで、二人の生徒を例に。
【A君】
国語 90点
数学 70点
英語 90点
理科 75点
社会 75点
合計 400点
【B君】
国語 60点
数学 90点
英語 90点
理科 80点
社会 80点
合計 400点
二人とも、5教科の合計点はともに400点。
なかなか優秀、偏差値も同じです。
でも、これが11月のVもぎの成績だった場合、今後どちらの生徒が伸びると思いますか?
言わずもがな、A君です。
A君は数学・理科・社会、まだまだ伸びる可能性が…
合計点で420~425点あたりを目指せそうです。
講師が目を付けているのは「国語」の点数。
国語の点数が高い = 考える力がある!
と、我々は判断します。
これからも、知識の詰め込みに堪えうる能力あり!
入試直前まで鍛え続けても大丈夫、となるわけです。
一方、B君…
数・英・理・社は、現時点でも申し分ない成績です。
ただ、ここからさらに伸びるか?と言われると、甚だ疑問。
苦手としている国語も、果たして伸びるか?
たまたま、読みやすい長文が出題されれば、それなりに点数を稼ぐことはできるかもしれません。
でも、そんなに都合良くいくことはないでしょう。
B君は、11月時点の実力をキープすることに集中して、そのまま入試を迎えることになりそうです。
国語が苦手…
というだけで今後の見通し、可能性が非常に限られてしまうんです。
直前期の戦略的アドバイス
「国語」の得意・不得意によってタイプを2つに分けるとすれば…
得意な生徒は入試前日まで、5教科全体の底上げをすべきです。
過去問を分析して、正答率が20%以下の発展問題にもチャレンジしましょう。
今まで知らなかった解き方、初めて目にする考え方を貪欲に吸収してほしいものです。
国語が不得意な生徒は…
小手先のテクニックに走るのではなく、単純な暗記に専念しましょう。
覚えていれば、そのまま点数が取れる…
漢字の読み書き、理科の生物、社会を重点的に。
国語は不安でも、その他の4教科は90点以上を目指す!
それくらいの気合いで、頑張ってほしいと思います。