2020年3月26日(木)です。
東京都の小池知事が週末の外出を自粛するよう要請したことを受け、隣接する県の知事も東京への外出を控えるよう、呼びかけています。
「週末はなるべく、自宅で過ごして!」ってことなんですが、そうなると塾や予備校に通えない生徒が出てきますよね…。
そんな中、注目されているのが「ライブ授業」
学校が臨時休校になったことで、通常は有料のコンテンツを、無料で公開するサービスも出てきています。
3月の初め、あちこちの塾が「休校だ!」「いや、休校にしない!」と揺れ動いていた時、PHASEでもいったん塾を休校にしようか?と考えたことがありました。
アプリの「Zoom」などを使って、会議形式で授業内容を発信すれば、教室での指導と近い環境が作れるのでは?と一瞬思いましたが、すぐやめました。
「ライブ授業では、塾として十分な指導はできない。」と判断したからです。
そのような経緯も踏まえて、今回はライブ授業のメリット・デメリットを考えます。
ライブ授業のメリット
感染防止
自宅から出ないので、ウイルスに感染する危険性を抑えられます。
知事の要請で「家から出るな!」と言われてるので、自宅に居ながら授業を受けられるのは最大のメリットでしょう。
塾や予備校に通う時間もゼロにできるので、その分、勉強時間を増やすこともできます。
受講者数を増やせる
ネット環境が整っていれば授業を受けられるので、受講者の数はほぼ上限なし。
一度に多くの生徒が、同じ授業を受けることができます。
昭和の時代の予備校なんて、ひとつの教室に100人、200人なんてザラでしたからね…。
今、そんなに人を集めたら、クラスター発生確定です。
ライブ授業のデメリット
質問できない
「わからない問題があった」 「講義内容とは違う解き方をした」 「肝心なところを聞き逃した」など、先生に質問したい!という状況は常に考えられます。
でも、ライブ授業では先生が一方的に喋るだけなので、その場で質問はできません。
質問内容を送って、後日返ってくる…という対応はしてもらえても、やはり解決までにタイムラグが生じます。
「授業が上手いなら質問は出ない」と言ってる予備校の先生もいますが…
それは「質問が出ないような優秀な生徒に教えている」か「質問が出ないように基礎的な内容に絞っている」だけなので、決して鵜呑みにしてはいけません。
ライブ授業では、わからないことが、わからないままになってしまう可能性があることを、しっかり自覚すべきです。
生徒の理解度がわからない
これは教える側の見方ですが…
私がライブ授業に踏み切らなかった一番の理由がコレです。
生徒の手の動き、視線、細かい表情が見えません。
生徒がしっかり理解しているか、わかったフリをしてごまかそうとしているか、カメラ越しでは全く把握できないのです。
うちの生徒はみんなヤル気に満ち溢れてるから、教えたことは完璧に吸収してくれるに違いない!と思いたいんですが、それはちょっと無理があります。
生徒の理解度に合わせて教材を入れ替えたり、説明に緩急を付けたり、しつこいほど繰り返したり…
そのような「個に合わせた指導ができない」
講師から生徒へ、完全に一方的な指導になってしまうことが、ライブ授業最大のデメリットです。
ネットで検索していると、やたらライブ授業や映像授業を絶賛している人が現れますが、そこは注意して見てください。
「ライブ授業で東大に合格しました!」とか「映像授業で京大に合格しました!」とか。
元々、東大や京大に合格できるほどの高い能力を持った生徒が、たまたま映像授業も利用していた…というだけで、ライブや映像授業が生授業より優れていることにはなりません。
本気で成績を上げようと思ったら、わからなければすぐに質問できる、質疑応答形式が最強です。