(2019年12月の記事です)
千葉県の公立高入試では英語だけでなく、国語でもリスニングがあります。
そのため12月からは、教室内でイヤホンを使用する機会が多くなります。
また高校生は映像授業で学習することもありますので、気が付くと教室内…
「みんなイヤホン装着中!」という状況に。
塾内の決まりとして、周りに迷惑をかけないのであれば、特に厳しい制限は設けていません。
ですから休憩中に音楽を聴くことも自由ですし、やろうと思えばイヤホンで音楽等を聴きながら勉強することもできます。
そこで「音楽を聴きながらの勉強」について、賛否があるわけですが…
私は「自分で経験して、判断するしかない。」と思っています。
昔の塾では…
「音楽を聴きながら?」
「ふざけるな!」
「お前、やる気あるのか?」
「言うこと聞けないなら辞めろ!」
これが普通でした。
昔の先生方は「音楽を聴きながらでは絶対に暗記できない」ということを頭ごなしに生徒に押し付け、従わせようとしていたのです。
でも…そうは言ってもやっぱりイヤホン付けたいわけですよ、中学生は。
そこで私もやりました。
夜、自宅で音楽を聴きながら。
結果は一日で判明。
先生の言う通り、全く頭に入って来ません。
何も暗記できていなかったのです。
「ダメだこりゃ!」となって、それ以来、音楽を聴きながらの勉強はしていません。
今では講師の立場から
「○○しろ!」
「○○はダメ!」
と言うと、すぐにハラスメントだの人権だの個人の自由だの…となる時代です。
周りに迷惑をかけていない以上、イヤホンをするかしないかは一人ひとりの判断に任せています。
生徒の様子を黙って見ていると、やっぱり最初はみんなイヤホン付けますね。
「イヤホンしながらの方が、何かカッコいい!」
「音楽聴きながら勉強できてる俺、けっこうイケてる!」
といった感覚でしょうか。
わかります、私もそうでしたから。
でも日にちが経つにつれ、一人また一人と、イヤホンをしなくなります。
「覚えられない」ことに気付くんでしょう。
「イヤホンするな!」と大人に言われて渋々外すよりも、自分で経験して判断すれば納得もできます。
成績面から見ると、すぐに自分からイヤホン使用を止めるのは、だいたい偏差値60以上の生徒です。
偏差値50台かそれ以下だと、イヤホンを付けたり付けなかったり。
止めたかな?と思ったらまた使い始めたり。
たぶん「覚えられているか」「記憶が定着しているか」の判断を自分自身で下せるのが、およそ偏差値60のラインなのかな?と思います。
そもそも模試や入試ではイヤホンなんて使えないわけですから、普段から入試と同じ状況を想定して勉強する。
多少の雑音、生活音には影響されないよう訓練しておく。
当たり前のことなんですが、これを偏差値60未満の生徒に話しても、ほとんど響きません。
「カッコいい!」という感覚が上回っているのか、それともある種の依存症か。
覚えているかどうかのチェックを自分で出来ること
入試本番を想定した準備が出来ること
そして年長者の意見に耳を傾けられること
それらすべてを含めてその生徒の実力なのです。