今の英語教育に、決定的に欠けているもの。
それは…
・発音記号
・文型
この2つです!
今回は、公立の中学校の英語を前提に話を進めていきます。
PHASEに通い始めたばかりの生徒たちは、発音記号も文型も、全く知りません。
そりゃそうです、学校で教えてませんから。
これが私立の中高一貫校だと、当たり前のように中1の最初から発音記号を覚えさせます。
文型も中2の夏頃には習うはずです。
私立では、ほとんどの学校で教えているのに、公立では教えていない…
なぜでしょう?
ちょっと考えてみました。
発音記号
私が発音記号を学んだのは中1の4月。
アルファベットを覚えて…
(しかも当時は大文字も小文字も筆記体!)
基本的な英単語と並行して、ごくごく自然な感じで発音記号も見てました。
新しい単語は英和辞典で調べるのが当たり前で、「アルファベットとは、何かちょっと違うんだな…」
そんな程度の認識です。
「単語の綴りと発音記号は、セットで覚えてしまおう!」
みたいな雰囲気でしたね。
先生の発音もかなり大雑把で「それで通じるの?」というレベル。
「戦時中、米兵と喋ってたから大丈夫だ!」って言うんだから、たぶん大丈夫なんでしょう。
それで良かったんです。
「先生の言うことは絶対!」でしたから、昔は。
でも今はどうか?
まず、英和辞典の購入が「任意」です。
辞典を持っていない生徒が大半ですから、発音記号に触れる機会と言えば、教科書の巻末だけ。
授業で触れることは全くないので、生徒は「不思議な記号」としか思っていません。
そして仮に、先生が発音記号の授業を始めたとして、ネイティブに近い発音ができなかったとしたら?
「L」と「R」の違いが適当だったら?
微妙な違いを表現できなかったとしたら?
たちまち…
「出来もしないのに生徒にやらせるな!」とクレームが来るかもしれません。
生徒側からしても、「何か意味わかんねぇ~覚えられんし!」と言われそうです。
先生の負担を減らすために、授業から削ったのか?
ALTの先生に任せればいいと思っているのか?
中学入学直後から、あれもこれも覚えさせるのは良くない!みたいな意見があるのか?
よくわかりませんが、どうも納得いきません。
そもそも、リスニングで単語を聴き取る時は
無意識に発音記号を介して区別しています。
「sea」と「she」
「heart」と「hurt」
「coat」と「caught」
どれも、脳内で発音記号の違いをイメージして、「他と異なる発音」を選んでいます。
発音記号がなければ、とても困るんです。
困ることにすら気付いていないのが、近頃の中高生です。
でも、優秀な生徒、本質を見極めている生徒は知っています。
「発音記号」が、英語を学ぶ上での「必須のツール」であることを。
そしてもうひとつ、
今の英語教育に決定的に欠けているもの↓
文型
三省堂の教科書では、中2のLesson5に第4文型と第2文型、中3のLesson4に第5文型が載っています。
でも、扱いがとても雑です。
体系的に「文の型の違い」を説明する内容にはなっていません。
「文型」ということばすら、載っていないのです。
どれも例文を読ませて、「こんな感じで訳せればOK」というもの。
「主語」「動詞」が文の柱であることも、全く強調されていません。
国語も英語も、文法は「おまけの知識」みたいな扱いになっています。
国文法が理解できていないわけですから、英語で「目的語」だ「補語」だと言っても、わかるわけないんです。
日本語と英語では、文構造が全く異なること、これは文型を習得しなければ理解できません。
そして、文型を理解しているからこそ、評論でも物語でも、長文が読めるようになるわけです。
高校生になってから、「急に英語がわからなくなった!」
と塾に駆け込んでくる生徒がいますが、私にとっては想定内なので…
「名詞」を修飾するのが「形容詞」
「動詞」を修飾するのが「副詞」
で、修飾って、何だっけ?
そんなところから復習します。
私たちは英語圏に住んでいるわけじゃないですし、ネイティブに囲まれた生活をしているわけでもありません。
自然と英語を身に付けるなんて、出来るわけないんです。
少しでも生徒たちの英語が上達するように、学校教育で決定的に欠けている「発音記号」と「文型」。
その重要性を伝えていくことも、塾の役割のひとつです。