2020年度は学習指導要領改訂に伴う移行措置があります。
中学1年・中学2年に大きな変更がありますので、詳しく見ていきましょう。
中学1年
正負の数
【追加】素因数分解
中3の因数分解の導入で扱われていた「素因数分解」が中1に移行します。
2019年から移行済みですので、現中1(新中2)は既に学習済みです。
これまで、小学5年で学習していた「素数」が2020年度から削除され、2021年度からは中1で学習することになるためです。
この移行措置に伴い、素因数分解と素数を絡めて学習が可能となります。
2021年度の新学習指導要領からは、自然数の集合を学習する場面で扱われます。
資料の活用
【追加】累積度数
高校で学習していた「累積度数」が中1に移行します。
「累積度数」とは…最小の階級から各階級までの度数の総和を表したものです。
【追加】統計的確率
中2の確率の導入で扱われていた「統計的確率」が中1に移行します。
よくある例は…画びょうを何回か投げて、針が上下どちらに向くかを数える場面で、相対度数を確率としてみなす内容です。
【削除】誤差や近似値
中1から中3へ移行します。
今までは中1で学習した後、高校に入るまで学習する機会がほとんどなかった内容であったため、高校進学直前の中3で学習し、高校化学でのつまずきをなくすことが目的です。
中学2年
【追加】四分位範囲と箱ひげ図
高校の数Ⅰで学習していた「四分位範囲と箱ひげ図」が中2に移行します。
新学習指導要領の大きなテーマとして、統計的素養を身に付けるということがあり、確率に加え、中2でも統計的なテーマを学習することになります。
高校の教科書に載っている内容が中2に下りてくるので、「とっても難しいのでは?」と不安に思うかもしれませんが、いえいえ、内容は簡単です。
初学者向けに解説しますと…
ちなみに、データ全体の個数が
奇数のとき、中央値は上組にも下組
にも含めません。
この四分位範囲を用いることで、「データの中に極端に離れた値がある場合でも、その影響を受けにくい」という利点があります。
そして、最小値・Q1・Q2・Q3・最大値を図で表したのが「箱ひげ図」です。
この単元は覚える内容も少ないですし、落ち着いてデータを拾い上げれば確実に得点できる内容です。
新しい教科書とともに配付される補助教材をしっかり確認しましょう。