(2020年5月の記事です)
平成3年に市進学院で講師人生をスタートしてから、早29年が経とうとしています。
今まで私は勉強嫌いの小学生・中学生を1000人以上、見てきました。
その経験から「子どもの勉強嫌いを最速で治す方法」をお伝えします。
やるべきことはたったひとつ。それは…
待つことです!
待てない親
「えっ?」
「いやいや、待つって…」
「最速で治すって言ったじゃん!」
と突っ込みが入りそうですが…
子どもの成績に悩むお父さん・お母さんは…待てません。
- 「宿題やったの?」
- 「勉強しなさい!」
- 「テスト近いんでしょ!」
- 「塾行ったの?」
- 「早くやりなさい!」
動き出さない子どもを見て、口から出るのは攻撃的な言葉ばかり。
こんな言葉を浴びせられて「よぉ~し、頑張るぞっ!」なんて思う子どもは、地球上に一人もいないわけで…。
いつぞやのスノーボード選手と同じ。
「チッ! うっせぇ~な!」となるのがオチです。
ダラけている、サボっている子どもを見て、つい追い詰めるようなことを言ってしまうのはわかります。
そう…多くの保護者の皆さんは待てないんです。
待てない原因
なぜ待てないか?
それは保護者の皆さんが「不安と焦り」を抱えているから。
親の不安
「こんな成績じゃ底辺校しか入れないかも?」
「将来、就職できないかもしれない…」
「まさかのニート?」
などなど。
親の立場からすると…
「このままじゃマズイ!」ってことはわかります。
心配で心配で、しょうがない…
子どもに対する愛情がちょっと行き過ぎてるのかもしれません。
不安を吐き出すかのように、ゴチャゴチャうるさいことばかり言ってしまうわけです。
親の焦り
またもうひとつの原因が「焦り」
「早くしないと受験に間に合わないわよ!」
「いつになったらやる気になるの?」
「塾に通わせてるのに、成績上がらないじゃない!」
「もう中3なのにっ!」
何とかして一刻も早く、子どもの意識を変えさせようとします。
でもダメなものはダメ。
言えば言うほど、子どものモチベーションはダウンです。
塾の実践
まぁぶっちゃけ…学年順位で上位2割の生徒は放っといていいんです。
周りが色々言わなくても、勝手に自分でどんどんやりますから。
問題なのは上位2割に入れない生徒。
やったりやらなかったり、全然やらなかったり…
勉強の質・量ともに、一定しません。
これは私の失敗談ですが、講師になって4~5年目まではかなりの熱血でした。
やる気のない生徒を個別に呼び出して懇々と説教したり…
夜遅くまで教室に残してマンツーマンで教えたり…
週に3回も4回もお母さんに電話をして状況を伝えたり…
結果どうなったか?
その生徒は塾を辞めていきました。
後から聞いた話では、高校にも進学しなかったそうです。
成績とか学歴とか関係なく、きっと「勉強」そのものが嫌になってしまったんでしょう。
それ以来私は「やらせる」ことをやめました。
いくらやらせようとしても、子どもはやりません。
ガミガミ言うだけ無駄です。
最悪の場合、嘘をついてやったフリをするようになります。
子どもが自分の意思で、心を決めて動き出すまで、じっと待つしかありません。
動き出す時期は子どもによって様々です。
中3の夏にVもぎを受けて、偏差値と合否判定を突き付けられて、そこで初めて目を覚ます生徒もいれば…
冬休み明け、入試まであと1ヶ月になって、ようやく火がつく子もいます。
受験勉強としては、失敗するかもしれません。
でも失敗しない人生なんてないわけで…
人は誰しも小さい失敗を繰り返しながら学んでいくものです。
「子どものため」とアレコレ言ったところで、言われた子どもは自分のペースを崩されるだけ。
子ども自身が自分の人生と真剣に向き合うまで「ただひたすら待ち続けること」が、実は最速で勉強嫌いを治す、唯一の方法なのです。