6月以降の分散登校の予定が、少しずつわかってきました。
出席番号の偶数と奇数に分けて、教室内に「密」を作らない形で、徐々に通常に戻すようです。
とは言え、実質3ヶ月にもわたる長期休校。
生徒も、先生方も、すんなり元のペースに戻せるとは、到底思えません。
生徒の心と体は大丈夫か?
始まってみなければ、わからないことだらけですが…
「不登校」が増えると思います。
休校中も、規則正しい生活を続けていた生徒は、たぶん大丈夫でしょう。
(そんな生徒、いるかな…?)
でも、多くの生徒は夜型になっていたり、起きる時刻が遅くなっているはずです。
分散登校の期間中に、なんとか早起きのリズムを取り戻してほしいものです。
朝、起きられず…
「もう、学校行くの、ダルぃなぁ~」
となって、サボる生徒が増えるんじゃないかと、懸念されます。
まあぶっちゃけ、サボり癖なら叩き起こせばいいんですが…
本当に精神のバランスを崩してしまう…
深刻なケースも起こりえます。
引きこもり気味だった生徒は、いきなり集団生活へ戻ることに不安を感じるでしょう。
また、ちょっといじめられていたような生徒は「またいじめられるんじゃないか?」と恐怖を感じるかもしれません。
戻りたくても、戻れない。
玄関で体が固まってしまって、外へ出られない…
そんな生徒も、学年に何人かはいるはずです。
しばらくの間は、欠席扱いにしないなど、配慮をしていただきたいと思います。
さらに、この休校期間中に生じてしまった「学力の差」にショックを受ける、という事態も…
小規模な個人塾は、休校期間中でも授業を継続していたところが多くあります。
また、映像授業でどんどん先取りを推進していた塾もあります。
いざ、休み明けで授業が再開したら、友達がメチャクチャ先まで進んでいた…
「どうしよう… 追いつけない…」
と悲観して、勉強に対するモチベーションがダダ下がりしてしまう危険性があります。
先生方の心と体は大丈夫か?
どうしても、生徒にばかり目が向きがちですが…
学校が再開されたら、先生方も相当キッツイ状況になるんじゃないかと。
まだ再開されてない今でさえ、生徒が持ってくる配布物の内容から、職員室の混乱が窺えます。
課題の出し方が、粗雑というか、乱暴なんです。
公立高校の入試問題をコピっただけとか…
解答のページ数がズレまくってるとか…
誤字・誤植がそこらじゅうにあるとか…
できるだけ先まで予習しろ!とか…
教科ごとに先生が集まって、意見の擦り合わせ・確認作業をした形跡が、ほとんどありません。
校長・副校長先生からの指示を、それぞれの先生が自分の裁量で強引に形にした…そんな感じです。
余裕がない状態で、無理矢理に作ってしまった。
先生方も、多くの仕事を抱えて、キャパを超えてるのかもしれません。
6月になったら、授業を通常のペースに戻しなさい!と圧力がかかるでしょう。
でも生活リズムが戻ってないのに、普通の授業なんて、出来るわけないんです。
今まで荒れてなかった生徒が、急に荒れ始める可能性も…。
相談しようにも、ベテランの先生は話も聞いてくれず、ダメ出しばっかり。
心労がピークに達して、先生が休職…
代替の先生もちょっと微妙で、さらに荒れる…
エンドレスな、負のスパイラル。
経験年数の浅い先生にとっては、過酷な6月になりそうです。
学校再開後の塾の役割
塾は常に「生徒の成績を上げること」に全エネルギーを集中させています。
それはこれからも、何ら変わることはありません。
もし、今後変わっていくことがあるとすれば…
それは「学校教育への歩み寄り」です。
これまで、学校と塾はある意味、対立関係にあったかもしれません。
塾を敵対視する学校の先生も、未だ多くいらっしゃいます。
でも学校生活に苦しむ生徒たちを、塾はほんの少し、手助けすることができます。
学校に近い形で学習のペースを作ったり、教科書の内容を一緒に振り返ったり…
学校に通えなくても、塾で頑張る生徒たちを、温かく見守ってほしいと思います。