新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、千葉市は3/3~3/16まで、全ての小中高校を休校とする、と発表しました。
(5/17まで休校期間延長です!)
休校中の勉強法については↓↓↓
自治体の方針を受けて、多くの塾が学校と同じ期間、休校の措置を取っています。
約2週間、塾を休みにすることで、どのような影響が出るでしょうか?
塾の規模や経営形態によって、様々な影響が考えられます。
例えば、株式上場していて、潤沢な資金を保有している大規模な塾にとっては、今回の休校措置…痛くも痒くもないでしょう。
ところが、個人経営や小規模の塾では、経営が傾いたり、最悪の場合、閉鎖や廃業に追い込まれる可能性もありそうです。
塾を休みにすることで、なぜ閉鎖・廃業することに繋がるのか?
原因を考えます…。
授業料の返金
今から2~30年前の教育業界では「如何なる理由があれ、一度受け取った授業料は、絶対に返金しません!」という強気な姿勢が、一般的でした。
ところが、2007年の某英会話学校の返金問題を契機に、徐々に流れが変わりつつあります。
どの塾も、無用なトラブルを避ける意味で、あっさりと返金に応じることが多くなっています。
そうなると、個人経営や小規模の塾はとても困ることになりそうです。
「塾を休みにするなら、その分の授業料を返せ!」
「3月の授業料、半額にしろ!」
などと要求され、それに応じれば、一気に収入激減です。
小規模な塾にとって、1ヶ月分の授業料収入がゼロになったり、半分になってしまっては、途端に経営が苦しくなります。
「どれだけ休みにしても、一切返金しません!」と、強硬な姿勢を貫くか?
保護者の要求を受け入れ、返金に応じるか?
多額の返金でキャッシュが回らなくなったら、もうその塾、終わりです。
講師の退職
マンツーマンや1対2の個別指導塾の場合、講師の給与は通常「コマ給」という形で支給されます。
つまり、担当した授業の時間数に比例して給与が上がっていくわけです。
当然、授業をしなければ給与はゼロ。
塾が休みになってしまえば、講師は収入源を絶たれることになります。
職種としては、とても不安定です。
毎月、決まった金額が入るわけではない、となると、アルバイトとしての魅力は…
どうなんでしょう?
「この先、ちょっと危なそうだから、他のバイトにしようかな…」と思い始める学生講師がいたとしても、全く不思議ではありません。
退職する講師が1人か2人なら、何とかギリギリいけるでしょう。
でも、講師の半数が退職!となったら、もうその塾、終わりです。
休みグセ…からの退塾
小学生や中学生の場合、仮に病気で一週間、休んだとしても、塾としてはとても不安です。
「すんなり戻って来るか?」
「学習のペースを取り戻せるか?」
そして、
「ヘンな休みグセが付いていないか?」
成績が下の方…の生徒で一度休みグセが付いてしまうと
「もう塾行くのダルいなぁ~」
「なんか、怒られるかなぁ~」
「家でやればいいやぁ~」
となって、そのまま退塾!となる可能性、非常に大です!
これは春休みや夏休み、長期の休みの時も同じことが言えます。
元々、学習意欲の低い生徒や、成績への執着が薄い生徒だと、ちょっとの休みから、そのまま退塾!の危険性が、大いにあります。
退塾となれば、塾としては収入減。
一度に何人も退塾したら、もうその塾、終わりです。
まとめ
小規模の塾にとっては、今後の経営を左右する重要な分岐点であることは確かです。
感染拡大を防ぐ目的で、授業を休止する、という判断はやむを得ないでしょう。
でも、休みの期間中、「塾のシャッターを閉めて、誰も教室にいない!」というのは、塾として、あまりにも不誠実であると思うのです…
塾として永く地域に根差すには、不測の事態に備えて運転資金を蓄えておくことはもちろん、生徒・保護者、講師の利益を最大化する経営戦略が必要不可欠なのです。
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