緊急事態宣言によって、多くの学習塾が休校になっています。
で、保護者の方の素朴な疑問…
休んだ分の授業料って、返金してもらえるの?
学習塾を経営する立場で、率直にお答えしますと…
返金してもらえるかどうかは、塾によります!
返金に関する約款の記載
授業料の支払いについては、入塾時の契約書類に記載されているはずです。
ただ、個人塾や小規模な塾では「契約書類自体、存在しない!」という場合も…。
書面に依らず、口約束のような形で入塾してしまうと、後々トラブルになった時、かなり面倒。
まず、契約書類がないような塾には、入るべきではありません。
で、契約書類を保管している方は、よぉ~く読み返してみてください。
緊急時の返金について、何か記載されていますか?
私の経験上、イレギュラーな返金については一切触れない…
というのが、塾業界の暗黙のルールです。
色々な理屈をくっ付けて、契約書類の解釈をネジ曲げて、うやむやにしようとします。
個別指導塾の返金対応
マンツーマンや、1対2の個別指導塾の場合、返金対応はどうなるでしょう?
授業は「コマ」単位で計算されていますので、休んだ回数によって、授業を受けていないのが何コマあるか、わかるはずです。
そこで、「うちは8コマ分受けてないので、その分の授業料を返金してください。」と申し出たとしたら…
個別指導塾の返答はこうなります↓
「8コマ分はそのまま夏期講習に振り替えますので、返金はできません!」
出ました!
個別指導塾の必殺技「振替」
やってない授業があったとしても、時期をズラして翌月・翌々月に持っていくんです、強引に。
3月・4月分を返金してくれる、なぁ~んてことは、絶対にないと思った方がいいでしょう。
仮に夏期講習にズラされたとして、それでも休んだ分の授業をやってくれれば、まだいい方で…。
目白に本社のある某塾では、未実施の授業は消滅します。
どういうことか?
まず冬期講習の前、「こんなにたくさん、消化しきれないんじゃないか?」というぐらい大量の授業を取らせます。
「合格するために、お子さんに必要ですから!」という決まり文句を添えて。
で、取った授業が全部終わる前に入試を迎え、合格発表が出て、進学先が決まります。
受けてない授業がまだ残ってるのに、その分の授業料は「ご祝儀」という名目でそのまま塾の売上げに…。
返金する、なんて感覚は最初からなく、ぼったくる気満々なわけです。
マンツーマンや1対2の個別指導塾で、もし返金に応じてくれる所があったとしたら、それは宝くじに当たるくらい、とてもラッキーなことです。
集団指導塾の返金対応
集団指導塾も、規模が大きくなればなるほど、返金はしないでしょう。
生授業の替わりに、アレコレ策を練ってきます。
映像授業
あらかじめ講師が教室で授業を録画しておいて、それを自宅のパソコンやスマホで視聴するスタイル。
自分でスケジュールを決めて視聴できるのはいいんですが…
授業動画のクオリティは塾によって様々です。
通常50分の授業を7~8分に収めて、それで生授業と同じ金額を取っている、中学受験最大手…
一方では教材会社が作った授業動画を、そのまま流しているような塾もあります。
「生徒の満足度」という点では、生授業には到底及びません。
これで通常の授業料を請求したら、ほとんど詐欺です。
ライブ配信
普段、授業をしているのとほぼ同時刻に、教室から授業を配信するというもの。
生っぽい感覚にはなりますが、質疑応答はできません。
講師が一方的に喋るだけ。
教える側も、生徒の反応が見えないので、強調するポイントがズレる可能性があります。
また、もしお父さん・お母さんがテレワークでパソコンを独占していたら…?
「授業の替わりにの、ライブ配信です。」と言われても、誰も納得しないでしょう。
ビデオ通話型
「Skype」「Zoom」「LINE」などを使って、映像と音声の両方で通話するスタイル。
生授業に一番近いのが、コレです。
PHASEでも、自宅学習中の質問は「LINE」のビデオ通話で受けています。
説明する内容に関しては、ほぼ授業と同じようにできますが、板書の過程を見せにくいのと、生徒が解いてるノートを見ることができないので、どうしても精度は落ちます。
最近ではビデオ通話に特化した塾もあり、一般的な個別指導塾と同じくらいの金額を取っているようですが…
PHASEでは、生授業とは明らかな差があることから、授業料の減額で対応しています。
まとめ
「授業を受けていないなら、その分は返金してもらう。」
当たり前のことですが、業界の長年の悪習によって、返金に応じない塾がたくさんあります。
緊急事態宣言の休業要請によって、収入が減っているご家庭もあるでしょう。
この状況で、求めに応じて即座に返金する塾があるとすれば、そこは間違いなく優良な塾です!