高校受験 『意思決定』のできない子どもたち

高校受験

(2020年2月の記事です)

 

なぜ意思決定できないか?

中1・中2の学年末試験まで、あと一週間。

試験直前モードに突入していますので「いつ・何を・どれだけ」勉強するか?

生徒一人ひとりのカリキュラムについては、すべて詳細に決まっています。

 

決まっているんですが…

生徒が自分なりに考えている優先順位と、私が想定している優先順位が一致しているかを確認するために、塾では毎日何から始める?と聞くようにしています。

 

学年順位が上位の生徒については、私が用意しているカリキュラムとほぼ一致します。

「何から勉強すべきか?」について、正しい自己分析ができているためです。

 

ところが学年順位が真ん中より下の生徒だと「何から始める?」に対し、「何でもいいです」「別にありません」と答えます。

 

それも後ろめたさや恥じらいは微塵もなく…。

堂々と「何でもいいです」「別にありません」と返答します。

 

何から勉強するかについて「自分では決めません!」と宣言しているようなものです。

 

そもそもやる気がないのか、人任せでいいと思っているのか…

中位以下の生徒たちは自分のことを自分で決めることができません

なぜでしょう?

 

家庭環境が原因

ひとつ考えられるのは「自分で決めること」に慣れていない。

 

小さい頃からいつも親の言いなりで、親の言う通りにしていれば平和な日々。

だから言われたことしかやろうとしない。

 

勝手なことをすると怒られるので、余計なことはしない。

好きなことをやろうとしても親に行動を制限されてしまうので、やる前から諦めている。

子どもを支配しがちな家庭に育ってしまうと、自分の意思を持つことすらできなくなります。

 

もうひとつ家庭環境が原因では?と思われること。

 

それは子どもの問いに対し、親が答えていない。

「今、忙しいから!」

「えっ?知らないわよ!」

「パパに聞いたら?」

「先生に聞きなさい!」

「自分で調べなさい!」

 

子どもの知的好奇心を完全に打ち砕いてます。

こんな風に言われたら、もう子どもは親に聞くことが苦痛になっていくでしょう。

 

質問をして解決するというコミュニケーションの基本が確立されないまま成長してしまうので、自分で考えたり、自分で決めることが苦手な人間になってしまうのです。

 

学校教育が原因

これは公立中学校に限った話ですが…

20年以上前と比べて、生徒の学力分布が大きく変わってきているように思います。

 

突出して優秀な生徒は今も昔もほとんど変わりません。

偏差値70以上の生徒は、相変わらず素晴らしいキレを持っています。

 

気になるのは全体の分散です。

昔は平均点付近の人数が多く、漢字の凸のような分布でした。

よほど奇抜な出題をしない限り、通常はこの凸の形になります。

 

ところが最近は逆で、凹の形に近づいているように思います。

優秀な層とできない層の人数が多くなり、平均点付近の人数は少ない。

マンツーマンでもできるようにならない生徒の割合が、明らかに高くなっています。

原因として考えられるのは、学校の授業に付いて行けてない。

放置状態の生徒が増えている…ということです。

 

学年順位で言うと、下から3割の生徒はほぼ学校の授業が理解できていません。

学校からの支援は期待できないため、塾に通っている生徒は塾でやる、塾に通っていない生徒はできないまま。

 

何がわからないのか?がわからないので「何から始める?」と聞かれても「何でもいいです」「別にありません」となるわけです。

 

そうならないために…PHASEでは毎日何から始める?と聞いてるわけです。

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