(2020年4月の記事です)
「新学期が始まりました!」
と言いたいところですが、今年はゴールデンウィークまで休校になるかもしれません。(千葉市は2020年5月31日まで休校です)
新入生は入学式もなく、ただ教科書が配られるだけの寂しいスタートとなってしまいました。
学校は休みですが「少しでも予習を進めたい!」という人もいるでしょう。
というわけで、中1の数学で最初に注意しなければならないポイントをご紹介します。
反対の性質を持つ量
教科書では2番目の単元です。
【正の数・負の数で量を表すこと】を見てください。
ここで学ぶ内容はハッキリ言って数学ではなく国語です!
5000円の収入を+5000円と表すとき
4000円の支出は-4000円と表される
「収入」と「支出」ということばの意味がわかってないと何も理解できません。
「収入」はお金が入ってくることで「支出」はお金が出ていくこと。
これを読んでる大人の皆さんは「そんなの当たり前じゃん!」と言うかもしれませんが、理解してない中学生…1~2割はいますよ。
「収入」と「支出」という言葉の意味から説明しないといけないので、ここはもう数学ではなく国語なんです。
さらに…
ある地点から2km東の地点を+2kmと表すとき
ある地点から3km西の地点は-3kmと表される
ここでも東と西の関係がわかってない生徒がいます。
「東西南北」がわかってません。
地図上で「どっちが北?」と聞いても答えられない生徒には、まず東と西が逆方向であることをビジュアルで示す必要があります。
大人にとっては常識ですが、ことばの意味から確認しなければいけない生徒…
本当にいます。
数の大小
正負の数の計算に入る前に、よく使う例は…
体重40kgの人が、2kg増えたら何kg?
体重40kgの人が、-2kg増えたら何kg?
体重40kgの人が、2kg減ったら何kg?
体重40kgの人が、-2kg減ったら何kg?
「増えた」はたし算で「減った」はひき算。
この例題にサラっと答えられる生徒であれば「加法」「減法」は大丈夫なはずです。
もとの数と比べて、大きくなるか?小さくなるか?
単純にどちらになるかがわかればいいだけ。
40+2=42
40+(-2)=38
40-2=38
40-(-2)=42
それが計算になると途端にできなくなる生徒が現れます。
減法でつまずく
それは減法の説明がわかりにくいせいです。
ここが中1数学の最初の難関…
結局のところ大きくなるのか?小さくなるのか?
シンプルにことばの意味で考えればいいものを…
正の数・負の数をひくには、符号を変えた数をたせばよい。
教科書のこの一文で、混乱が始まります。
どういうことか?
(-6)-(+10) = (-6)+(-10)
-6より10小さい。
と考えればいいものを、
-6より-10大きい。
と置き換えてます。
なぜ「符号を変えた数をたすのか?」
その説明はどこにもありません。
「減法は符号を変えて加法に直せば解けます」
とやり方を示しているだけ。
だからわからないんです。
初めのうちはプラスとマイナスで頭の中がごちゃごちゃになります。
でも結局「大きくなるの?」「小さくなるの?」をひとつひとつ考えながら進めれば、必ず正解に辿り着くんです。
減法を加法に直して交換法則で加える順序を変えて…
そんな教科書の説明は暗算で解けるようになった後にもう一度見直せばいいんです。
「減法を加法に直してはいけません。」
(-6)-(+10)
-6より10小さい。
(-6)-(-10)
-6より-10小さい。
ってことは…
-6より10大きい。
落ち着いて言葉の意味を考えれば、大きくなるか小さくなるかはわかるはずです。
「数学」は始まったばかりです。
「わからないから…もういいや!」と諦める前に、冷静に問題の意味を考えてみましょう。