今年は入学式が簡素化されるなど、新入生にとっては、ちょっぴり寂しい春になりそうですが…
新たな環境で
「アルバイトを始めよう!」
「塾講師をやってみよう!」
と考えている新入生…
たくさんいると思います。
そこで今回は新入生へ向けて「塾講師を始める時の注意点」をまとめてみました。
いつから始めるか?
正社員・アルバイトを問わず、離職率ワースト3に入り続けている教育業界。
どこの塾も人手不足です。
通常、塾は3月からが新年度ですので、大学の合格発表直後から、新入生獲得に動いている塾がたくさんあります。
高校の卒業式を終えたらすぐ、3月からいきなり講師デビュー!
という強引な塾もあるようで…
高校の時の先輩に誘われて…(というか連行されて…)
仕方なく塾へ行ってみたら、教室長の圧力に押されて、そのまま仮契約…
という残念なケースもあります。
アルバイト講師に対し「後輩を連れて来い!」というような塾は、明らかに人手不足で危険です。
先輩との主従関係が成立していると、なかなか断りにくいかもしれませんが、先輩の言いなりにだけはならないように。
大学に入学したら、まず1年生で履修する科目を決めます。
ゴールデンウィーク前には、どの科目も1回目の授業がありますので、どんな授業かを体感して、しっかり考えて履修登録をした後で、アルバイト探しを始めましょう。
私の経験では、ゴールデンウイーク明けの5月中旬から、まず日曜限定の試験監督として塾で働き始めて…
教室長の先生のキャラや教室全体の雰囲気が自分に合ってるな!と思えたので、7月下旬から本格的に講師の研修に入りました。
研修制度が整っているか?
「研修制度完備」
どこの塾のホームページを見ても、必ず書いてありますね。
でも多くは、注意事項を確認するだけの「形だけの研修」
「講師として育てるための研修」を実施している塾は、実際には非常に少ないです。
塾講師として、給料を貰うまでに身に付けなければいけないスキルは
- 言葉遣い
- 教科の知識
- 授業でのプレゼン能力
- 入試の出題傾向
- 生徒の実力把握
- 保護者対応
などなど、挙げればキリがありません。
それらを時間をかけて教えてくれるか?
講師がスキルアップするよう、真剣に取り組んでいる塾かどうか?
見極めが重要です。
私が今、こうして独立開業して塾を経営できているのも、最初に勤めた市進学院の研修のおかげです。
約2ヶ月間…
「もうこれ、パワハラなんじゃないの?」
と思えるような叱咤激励の中で、講師として必要なスキルを全て、叩きこまれました。
教壇に立つようになってからも、抜き打ちで取締役の授業見学が入ったり…
講師の指導力向上に取り組む環境は、他塾ではあり得ないほど、ハイレベルでした。
多くの個別指導塾では、「大丈夫?教えられるよね?」と確認される程度で、「研修なんてほとんどやってない」のが実情です。
授業マニュアルがあれば、まだいい方で、予習すらなく、いきなり生徒に教える!ぶっつけ本番の授業が横行しています。
そんな塾で講師をやっても、何もプラスになりませんよ。
稼げるか?
結論から言うと「稼げません!」
これから塾講師を始めようとしている皆さんの希望を打ち砕くようですが…
「時間の割に、稼げません!」
個別指導塾の勤務体系がブラックだ!
という事実はかなり知れ渡っていますが、それでも、予習や報告書記入など、授業以外の時間を拘束時間に含めると実質の時給は大幅に下がります。
1コマ90分で1800円だとしても予習に1時間、授業後の報告書記入に30分、となったら、トータル3時間です。
わり算したら時給600円!
刺激的すぎます。
集団指導塾であれば、それなりに高給にはなりますが、
大学の試験前でも休めない、長期休暇中も講習で出ずっぱり、大学4年の2月まで辞められない、など多くの自由を奪われます。
それでも塾講師をやりたいか?
よく考えてください。
私は教え子たちに「塾講師、やってみたら?」とは、ほとんど勧めません。
大学に入学した生徒が将来、教員を目指しているか、大学卒業後も塾や予備校など、教育業界に就職したい!と思っているなら、塾講師として働くことは大きな財産になるでしょう。