(2020年2月の記事です)
ちょっとネットで調べれば、何でもわかってしまうこのご時世…
「個別指導塾の授業料っていくらぐらい?」と思って調べてみても「料金がどこにも載ってない!」ってこと、ありますよね?
「お子さまにとって、最適な料金プランを作成します!」とは書いてあるけれど…
それって実際は、いくらなの?
どこを探しても、ホームページ上に具体的な金額の記載はありません。
なぜ料金をホームページに載せないのか?
理由は単純…
高すぎて公表できないから!
初めからオープンにしてしまうと、お客さんはビビって逃げちゃいます。
何も知らずに個別指導塾に入ると、中学3年生になった時、誰もが驚愕しますね。
「年間の授業料総額は、どんなに少なく見積もっても100万円超え。」
なんでそんなに高額になるのか?
カラクリを解説します。
授業料の内訳
塾の規模や指導形態によって、収支状況は様々ですが…
個別指導塾の料金体系について何もご存知ない方がイメージしやすいように、数値は簡略化します。
例として講師1人に生徒2人、1対2の個別指導塾を考えます…
中学3年生 週1回90分の通塾で、1回あたりの授業料は3,000円(税別)
常に1対2になればいいんですが、講師と生徒のマッチングが上手く行かずに、1対1になってしまうこともあります。
そこで授業料の3,000円がどう配分されるか?と言うと…
・講師給与 1,800円 (60%)
・教室責任者の給与 300円 (10%)
・本部へのロイヤリティ 300円 (10%)
・広告宣伝費 300円 (10%)
・店舗賃料 光熱費 300円 (10%)
当然、実際はこれよりも複雑です。
おおまかな全体のイメージだと思ってください。
金額を合計するとピッタリ3,000円、100%になります。
と言うことは…利益ゼロ。
つまり1対2の塾が1対1で授業をしてしまうと儲けが出ません。
フランチャイズの塾だとすると、フランチャイズオーナーの取り分もゼロです。
ですから教室責任者としては、何としても1対2の組み合わせを作らなければいけなくなります。
1対2になると生徒は2人ですから、塾の収入は6,000円に。
この6,000円の配分は…
・講師給与 2,100円 (35%)
・教室責任者の給与 600円 (10%)
・本部へのロイヤリティ 600円 (10%)
・広告宣伝費 600円 (10%)
・店舗賃料 光熱費 600円 (10%)
・オーナーの取り分 600円 (10%)
・利益 900円 (15%)
個別指導塾の利益率はだいたい10%~15%ですから、1対2の授業を設定できれば、上のようにまずまずの利益が出ます。
そして費用の半分以上が人件費なのです。
授業を担当する講師の給与については、教える生徒が1人から2人になったからと言って、給与は2倍にならない!
ここがポイントです。
生徒との相性が良くなくても、講師の得意教科と生徒の要望がズレていても、強引に1対2の組み合わせを作らないと、個別指導塾は成り立たないのです。
普通にやってたんじゃ、ほとんど儲かりません。
そこで個別指導塾は年に2回、例の秘策を繰り出してきます。
それが↓↓↓
夏期講習・冬期講習
中学3年生は7月下旬まで部活の試合が続くことがありますが…
塾はそんな都合はお構いなし。
どんどん講習で追加授業を取らせようとしてきます。
保護者の方との面談…というか押し売りが始まるのが6月中旬から。
教室責任者としては本部の指示通り、中3生全員に追加授業を取ってもらわないと自分のボーナスが出ません。
その標準的なノルマは、一人100コマ!
そうです、授業100回分です。
金額にすると、3,000円×100=30万円。
7月と8月で100回の授業を受けさせよう!と言うのが個別指導塾の戦略です。
「うちはそんなに払えません」
「そんなたくさん必要ないです」と断ることもできますが…
その後、塾との関係はかなり微妙になってしまいます。
冬期講習も同様に12月下旬から2月の入試直前まで、これまた100コマ!
キッチリ30万円を請求されます。
年間総額
中3生だと、塾へ通うのが週1回ということは、まずあり得ないと思います。
通常は週3回なので、月々の授業料が12,000円×3=36,000円
これを10ヶ月分。
それに夏期と冬期の講習
30万円×2=60万円。
消費税や教材費、施設管理費、
模擬試験の受験料など、
諸々合わせると100万円を超えます。
ホームページに料金を記載しない、その真意は…
「いくらになるかは、教えられません。」という塾からのメッセージなのです。