千葉市の小中学校は5月31日まで、休校延長になりました。
学校からは大量の課題が出ていますが、どれだけ真剣にやるかは生徒次第…。
この休校期間で「学力格差」は広がると思いますか?
なぜ 学力格差が広がるか?
社会全体が不安定な時ほど、学力格差は広がりやすい、と言われています。
なぜなら、社会の上位層は「勉強することが、いかに大切か?」を経験上、身に染みて理解しているからです。
高収入&安定した地位を得る上で、「学力が強大な武器になること」を知っています。
ですから、学校が休校になろうが、塾が閉まっていようが、あらゆる手段を探って勉強の場を確保しようとするのです。
どんなに社会が不安定であっても、キッチリ勉強は続ける…
結果として、どんどん実力は伸びるわけです。
一方、社会の下位層は「勉強することの大切さ」を理解していません。
「どうせ勉強なんかしたって、いい会社に入れるわけじゃない。」
「勉強なんかしなくたって、将来稼げればいい。」
その程度にしか考えていません。
ですから、休校期間が延長になれば「春休みが延びてラッキー!」
外出自粛の要請を無視して、サーフィンとか江ノ島とか、奥多摩に行っちゃうわけです。
つまり「親の意識の差」が、子の「学力格差」を広げる一因になっています。
学力格差は どう広がるか?
ここ最近、教室で生徒たちの学習の進捗を見ていると…
下位層は、今までとあまり変わりません。
厳しい言い方をすれば、出来ない子は、出来ないままです。
元々、絶対的な学習量が少ない生徒たち。
学校の定期試験前だけ頑張って、スポーツ推薦や私立単願で進学、と決めていますので…
休校で時間がたっぷりあるからと言って、学習量が増えることは、ほぼありません。
ただ今年は、復習する時間が昨年よりほんの少し、多いかと。
「いつもの年より、ちょっといいかな?」という印象です。
ところが!!
上位層は例年になく超ハイペース。
4月末の時点で、今年の学習内容の、半分くらい終わっている生徒がいます。
PHASEのような小規模・個人塾でさえこの状況ですから、バリバリ集団指導塾の本当のトップ層は、もう今年の学習内容…全部終わってるんじゃないでしょうか…。
映像授業やYouTubeを見て、毎日予習してるとか。
今年は、上位層の逃げ切りペースが半端ないです。
学力格差が広がることの問題点
教科書の内容を概ね理解している生徒の割合は…
- 小学校 … 7割
- 中学校 … 5割
- 高校 … 3割
と言われています。
講師歴28年の私の感覚も、ほぼこれと同じ。
中学生だと、学年順位で真ん中よりちょっと上ぐらいなら、教科書レベルの問題はほぼ解けます。
ところが今年は、まともに授業ができていません。
夏休みを短縮したり、土曜に授業を入れたりと、かなり強引なスケジュールになるようです。
その結果、上記の生徒の割合…
- 小学校 … 5割
- 中学校 … 3割
- 高校 … 1割
ぐらいまで、落ち込むんじゃないでしょうか。
つまり「できない生徒が激増する」ってことです。
ゆとり世代「円周率:3」の時も、恐ろしく計算のできない生徒が増えましたが…
今年はそれに匹敵するかもしれません。
全体的な学力の低下は、社会にとって大きな損失です。
最近の中学校は「生徒が塾に通っていること」を前提に授業が進んでいます。
中位層~下位層は置き去りにする傾向が続いていますが、今年に限っては、全体の底上げに重点を置いた授業展開をお願いしたいものです。
そして今話題の、「9月始業式」の可能性については…